響け! 心に!!

なんで「響いたのか?」をしちめんどくさく考えてみる、メンドウな人の考察。アニメ中心考察予定です。

劇場版 響け!ユーフォ考察 オーディション編~それは勝ち負けで、蹴落としで~

 

  • この記事は、作品の具体的な内容に、深く、大きく関わります。

  「バレは困る!」という方は、残念ですが視聴後にご足労いただければ幸いです。

 

  • セリフはすべて聞き起こしです。

   間違いもあるかと思われますが、ご容赦ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久美子と麗奈は、互いを名前で呼び合う、特別な関係となりました。

これまでは久美子が麗奈を一方的に意識する形で、ストーリーの対立軸のような働きをしていましたね。

 

2人の因縁、予想に反した再会、揺れる久美子……

 

滝のやり方に対する反発から、真剣になりつつある吹奏楽部員たち。

その結果、北宇治吹奏楽部はサンフェスの出場という結果を手にします。

同時に久美子も高坂さんのいる環境を受け入れ、新しいスタートを切っていることに気づけました。

リセットしたい自分に別れを告げ、新しい自分になっていきます。

 

サンフェスで過去と向き合い、あがた祭りで高坂麗奈本人とも向き合った久美子。

2人きりで演奏するという通過儀式を経て、久美子はさらに前へと進みました。

 

あれだけ決断できず、揺れていた久美子ですが、これ以降はこれまでのような決断に迷うフラフラしたシーンは見受けられません。

出来事にショックを受けても、まわりをキョロキョロ探すことはありません。

たまたま掴んだ腕ではありますが、結果として久美子は抱えていた問題を解決しました。

 

サンフェスでは『もうスタートしている』ことに気づけたという、吹っ切れた演奏。

大吉山での、麗奈との特別な演奏。

 

久美子はいま、充実のときを迎えたのです。

 

 

 

ここからはサブストーリーに入ります。

主人公はひと休みして、特別な麗奈の戦いと、それを支える久美子という図式になりますね。

 

主人公の久美子は低音パートということもあり、どうしても地味になるきらいがあります。

メロディラインに比べ、全体を支える低音パートが目立ちにくいのは仕方がないところでしょう。

これはコーラスなどに置き換えれば、よりわかりやすいかと思います。

低音パートがずっと重要な歌詞を歌い、主張し続けるということは、あまりないでしょう。

有名なギタリストは多くても、一般の人にも名前を知られるベーシストは、グッと少なくなるように思います。

 

ある種のわかりやすい行動、感情的な爆発といった、主人公らしい主人公を好む人には、ちょっとつらい部分かもしれません。

今作よりも次作の届けたいメロディの方が、より主人公っぽいかなとは思います。

 

 

で、支える低音パートらしく、ここからは麗奈を支える側にまわります。

ここからは麗奈と久美子とは違った、別のカタチの特別な2人と争うようになります。

 

 

 

オーディション編~それは勝ち負けで、蹴落としで~

 

・オーディションに向け、渡り廊下で練習する香織

 

晴香に自分の決意を告げる香織。

 

「去年のことがあったから、揉め事とかがないように、って。

 それだけちゃんとできればいいって、どこかで思ってて。

 でも、私3年生なんだよね。

 これで最後なんだよね。

 3年間やってきたんだもん、最後は吹きたい。

 自分の吹きたいところを、思いっきり

 

――ということは、『これから揉めます』という、前振りですね。

 

廊下で麗奈と行き会い、挨拶を交わす。

麗奈が去ると、香織の指にグッと力が入る。

香織が麗奈をソロパートのライバルとして、強く意識していることがわかる。

 

 

 

校舎裏で練習する久美子。

音が外れているのか、気が抜けた表情で、そっと丁寧に口を拭います。

 

どこからかいい音が聞こえてきて、その様子を伺いに行きます。

予想に反してそれは、あすか先輩ではなく夏紀先輩だったのです。

 

久美子にはいい音に聞こえたが、思い通りに吹けなかったのだろうか?

荒っぽくペットボトルを取り上げて飲む夏紀。

 

低音パートの教室で、輪から外れて一人居眠りをしていた夏紀。

これまでは我関せずで、ユーフォニアムを吹くことに真剣な様子はうかがえませんでした。

けれどその夏紀先輩でさえ、オーディションに煽られ、真剣です。

 

「みんな出たいんだ」

そんな当たり前のことに気づき、ひるんで逃げてしまう久美子。

 

 

 

・オーディションのシーン

 

 

 

・オーディションの結果発表

 

いかにも先生らしい松本先生の声が、緊張感を高めます。

淡々と読み上げられる、オーディションの結果。

無念にも選ばれず、崩れ落ちる部員も見受けられます。

 

結果……

夏紀先輩の様子を見て逃げ出したシーンのわりには、あっさりと合格する主人公、久美子。

 

初見では、ちょっと意外に感じた部分でした。

久美子が落ち、代わりに夏紀先輩が合格しても、それはそれで違和感ですけどね。

 

 

 

そして最後に、トランペットの選考結果が。

 

「ソロパートは高坂麗奈に担当してもらう」

 

ざわめく教室内。

その結果が『当然』とは、受け止められていない反応です。

 

予想外のとき、人々はどよめきます。

スポーツの結果でも、仕事の指示でも、テストでも。

思わず漏れてしまう、声。

 

 

 

・選抜したメンバーでの練習

 

演奏時間を計測する吹奏楽部。

 

合奏のあと、香織先輩が部長に呼ばれて立ち去ります。

香織の譜面をめくり、盗み見る吉川優子。

そこには、『ソロオーディション、絶対吹く!!』の文字が。

 

「高坂ってラッパの?」

 

それと同時に、優子は噂話を耳にしてしまう。

『滝先生と高坂麗奈は知り合いである』と。